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コーポレート・ガバナンス研究会
第6回 コーポレート・ガバナンス研究会
独立系運用会社から見た日本の資産運用業界について
ゲストメンバー:
株式会社GCIアセット・マネジメント
山内英貴 ファウンダー
開催日:
平成25年3月4日(月)
研究会メンバー:
池尾 和人(慶應義塾大学経済学部 教授) 座長
上村 達男(早稲田大学法学部 教授)
柳川 範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
鹿毛 雄二(ブラックストーン・グループ・ジャパン株式会社 特別顧問)
松尾 直彦(西村あさひ法律事務所 弁護士)
岩間 陽一郎(一般社団法人 日本投資顧問業協会 会長)
オブザーバー:
山田 俊浩(明治安田アセットマネジメント株式会社 コンプライアンス・リスク管理部長)
長尾 和彦(一般社団法人 日本投資顧問業協会 副会長専務理事)
第6回のコーポレート・ガバナンス研究会では、株式会社GCIアセット・マネジメントの山内ファウンダーより、独立系運用会社から見た日本の資産運用業界についてのスピーチがあり、その後、参加メンバーによる自由討論が行われました。
「日本の資産運用に関する現状認識や問題意識、また独立系運用会社の特徴・課題・ガバンス、及びAIJ事案による影響について」、投資家、経営者、学識者それぞれの立場から活発な議論が行われました。
■ ロングオンリーの伝統的な運用の場合には、投資家利益と運用者利益の潜在的相反がある。もし運用会社の経営者の立場で業績を向上させようとすると、成功報酬が一般的ではないため、運用資産規模の拡大が求められ、リターンの向上よりも販売的な面が重視される。また、日本の年金を初めとした投資家が、オルタナティブ投資やヘッジファンドに投資する場合、そのほとんどは、日本国内のゲートキーパーにより商品がセレクションされる。銀行、証券、運用会社、信託銀行などのゲートキーパーを通じて、海外のマネージャーに運用を委託しているのが実態である。したがって、成功報酬が日本に落ちてこない。(山内氏)
■ 投資家がきちっと判断している限り、AIJのような詐欺行為は回避できるかもしれない。しかし、実態を見る限りは、年金基金を運用している人たちに金融・証券のプロは基本的にほとんどいない。また、コンサルタントを雇っている場合、過去のトラックレコード等が必要であり、独立系は従来よりも門が狭くなっているので、これをどう越えていくかが重要である。(鹿毛氏)
活発な意見交換により、独立系運用会社に関わる議論について理解、認識を深められる興味深い内容になっております。是非ご一読ください。