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コーポレート・ガバナンス研究会
第5回 コーポレート・ガバナンス研究会
資産運用会社のコーポレート・ガバナンスについてA
ゲストメンバー:
ブラックストーン・グループ・ジャパン株式会社
鹿毛雄二 特別顧問
東京海上アセットマネジメント投信株式会社
大場昭義 社長
開催日:
平成24年11月7日(水)
研究会メンバー:
池尾 和人(慶應義塾大学経済学部 教授) 座長
上村 達男(早稲田大学法学部 教授)
柳川 範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
湖島 知高(一般社団法人 日本取締役協会 事務総長)
山田 俊浩(明治安田アセットマネジメント株式会社 コンプライアンス・リスク管理部長)
岩間 陽一郎(一般社団法人 日本投資顧問業協会 会長)
オブザーバー:
長尾 和彦(一般社団法人 日本投資顧問業協会 副会長専務理事)
第5回のコーポレート・ガバナンス研究会では、研究会メンバーである早稲田大学上村教授より、取締役制度についてのスピーチがあり、その後、参加メンバーによる運用会社のコーポレート・ガバナンスに関する自由討論が行われました。
「監査役設置会社と委員会設置会社について、また運用会社にとっての受託者責任について、その重要性、またそれを担保するための仕組み作りの必要性について」、投資家、経営者、学識者それぞれの立場から活発な議論が行われました。
■ 委員会設置会社には執行役と取締役がおり、執行役の責任と取締役の責任が分かれている。他方で、監査役設置会社には執行役というのはいなくて、取締役と監査役がいるが、ここで取締役の責任といった場合に、代表取締役であれば代表執行担当者、専務であれば専務の部分の責任を示しており、それを取締役の責任と呼んできた。すなわち、「取締役の責任」とか「取締役の報酬」といった場合は、取締役の責任という名において執行責任あるいは、執行の報酬が論じられてきた。そうした意味では、委員会設置会社と監査役設置会社の基本的な構造そのものに大差はない。(上村教授)
■ 日本において受託者責任という概念の中身が非常にあいまいである。実態的には民法上の注意義務と忠実義務であるという解説はあるが、日本の法律、条文の中には受託者責任という言葉はあまりない。一方、アメリカでは、エリサ法というものがあって、単に年金だけではなく、年金に関連するすべての法律に優先して及ぶ極めて強力な法律がある。(鹿毛氏)
活発な意見交換により、運用会社のコーポレート・ガバナンスに関わる議論について理解、認識を深められる興味深い内容になっております。是非ご一読ください。