一般社団法人 日本投資顧問業協会

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コーポレート・ガバナンス研究会

拡大版コーポレート・ガバナンス研究会

平成28年度第1回 拡大版コーポレートガバナンス研究会
『日本の上場企業の業績と株価 アセット・オーナーの視点からの考察』


開催日:

平成28年5月11日(水)

ゲストスピーカー:

新井 亮一様 国際基督教大学 基金担当理事

研究会メンバー:

池尾 和人 慶應義塾大学経済学部 教授、 座長
鹿毛 雄二 ブラックストーン・グループ・ジャパン(株) 特別顧問
松尾 直彦 西村あさひ法律事務所 弁護士
岩間 陽一郎 一般社団法人 日本投資顧問業協会 会長

研究会専門メンバー:

西惠正 DIAMアセットマネジメント(株) 代表取締役社長
山内英貴 (株)GCIアセット・マネジメント 代表取締役CEO

オブザーバー:

石川 博 セコム企業年金基金 副理事長
八木 博一 セコム企業年金基金 常務理事
山田 俊浩 明治安田アセットマネジメント(株) コンプライアンス・オフィサー 兼コンプライアンス・リスク管理部長
長尾 和彦 一般社団法人 日本投資顧問業協会 副会長専務理事


平成28年度の拡大版コーポレートガバナンス研究会は「アセットオーナーとして果たすべき役割とアセットオーナーから見たアセットマネジャーへの期待」をテーマとし、第1回の研究会には、国際基督教大学 基金担当理事の新井亮一様にゲスト・スピーカーとしておいで頂き、大学基金の特徴、基金における日本株の位置づけと日本株の魅力度、擦り合わせ産業と組み合わせ産業などについてご説明頂きました。その後、参加メンバーによる自由討論が行われました。新井様のお話の概要は、以下の通りです。

■ 大学の基金運用のいちばん大きな特徴は、失敗が許されないということです。代替の予算がない。ご記憶の方もいらっしゃるかもしれませんが、リーマンショックのときに大きな損失を出した大学は、結果的に例えばグラウンドを担保に借り入れを行うことになりました。そういったことが起こったり、またはいろいろな教育関係の予算を削らなければいけないということで、教育関係の劣化に直結する。これが、失敗が許されない理由です。元本を毀損するだけではなく、目標とした収益率を達成できない場合も同じです。2点目の特徴は、運用が楽な部分があります。毎年いくらぐらい大学に繰り入れるとか、奨学金の制度を作るとかいったスケジュールが、かなり先まで見通せます。3点目は、これは良い部分も悪い部分もありますが、簿価主義です。なぜ簿価かというと、大学基金の殆どが先程紹介したように寄付金で成り立っています そういうことで、収益目標は厳しい。ただし、それは長期で達成すればいいということであり、逆に流動性リスクが取りやすいということで、投資のタイムホライズンという意味ではアセットオーナーの中では一番長期投資家の中に入るのが大学基金だと思います。
■ 日本の上場企業については、基本的に問題はないと考えています。米国との比較で一番大きいのは、やはりインフレ率の問題です。それから、日本企業の分析をすることを仕事にしている金融業の利益が非常に悪い。それが結果的には日本の企業を悪く見せているのではないかと思います。
■ 過去36年間の日本企業の利益を成長率で見ると、組み合わせ型産業の利益は低迷しています。一方で、すごく利益を伸ばしているのは擦り合わせ型産業です。実は、ここに大きな問題点があり、日本企業の評価をする立場にいる人(金融、大学、官僚組織、マスコミに属している人)はどちらに属しているかというと、実は組み合わせ型産業に属しています。

活発な意見交換により、アセットオーナーとアセットマネジャーに関わる議論について理解、認識を深められる興味深い内容になっております。是非ご一読ください。

 

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